2006年12月06日

世紀を刻んだ歌『明日に架ける橋』

 サイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋(Bridge Over Troubled Water)』をご存じでしょうか? 学校の音楽の教科書に載っていると聞いたこともあるので、すでにスタンダードナンバーとして、若い方もご存じかもしれませんね。

(Sissel & Russel Watsonによる明日に架ける橋をYouTubeで今のところ聴くことができます。私はシセルのアメイジング・グレースが大好きなんですが、これ↓もとってもいいです!)
(2007年2月以降削除されたようです)
私にとってこの歌は、人生の中で最も印象深い音楽です。その昔、洋楽というものは、聴いても歌詞がまったく理解できないもので、ちょっと上の世代の方がビートルズに夢中になっているのを見聞きしていたくらいでした。ところが高校へ入学した年に、昼休みになると、この『明日に架ける橋』が毎日毎日かかっていたんです。歌詞は理解できないながら、ゆったりと静かに始まり徐々に盛り上がっていくその歌声に、なんて素晴らしい曲なんだろうと思うようになっていました。そして購入したのが、『サイモン&ガーファンクル・グレイテスト・ヒッツ 』というLPレコード↓でした。

 訳詞を読みほかの曲も聴くと、ますます彼らの歌にのめり込み、まとまった休みにアルバイトしたお金も全部つぎ込んで次から次へとLPレコードを買い込んだのでした。マイナーなレコードから、どういうわけかレコード店にあった海賊版のレコード、日本語版が出るのも待ち遠しく輸入盤、日本語版が出るとそれも購入し、誰かに貸して傷が付くと悲しくなってまた同じレコードを購入したり……、もうそののめり込みようは半端ではありませんでした。レコード店の女主人にも顔を覚えられ、お店に張ってあるポスターをもらったこともありました(笑)。
 
その後、ポール・サイモンの初来日が決まると、田舎に住んでいるものでチケット売り場がどこにあるかも分からず、音楽雑誌に出ていたお店に公衆電話から注文し、受け取るために銀座までわざわざ出かけていきました。が、お店が見つからず仕方なく別のお店で購入してくるという、もうほんとにオバカなことをやってました。

チケットが取れて安心したのもつかの間、コンサートの当日、あの時代の恒例、春の賃上げ闘争「春闘」で、なんと列車が動かなかったのです。焦りました――。でもどうにかして行きたい一心で、考えついたのがタクシー。でもお金がない。タクシー会社にいくらかかりますか?と聞いてまわり、妹にもお金を借りてなんとか調達し、武道館まで往復160kmを出かけたわけです。

高速道路がなかった時代で一体何時間かかったでしょう。東京は渋滞するので、5時間以上はかかったかもしれません。しかし車酔いに苦しみながら着いたときには、コンサートはとうに始まっているというお粗末ぶりで、落ち着く暇もなく引き返してきたのでした。

そんな馬鹿なことをしていた若いころですが、『明日に架ける橋』に最も慰められたのは、就職後、絶え間なく厳しい叱責を受けるようになってからでした。他人から叱られたことのない身にとっては死にたくなるほどつらく、真っ暗にした部屋の中で泣きながらこの曲を何度も聴いたものでした。

今また同じ状況に直面したら、きっと難なくこなせるだけの耐性も知恵も身についていると思いますが、頼る人もなく知恵もなかったころにはきつかったですね。あんなときには、音楽も助けや支えになるなあと思います。
 「明日に架ける橋」
試聴はこちらがお薦め(9曲目:OMA形式)

When you're weary feeling small,
When tears are in your eyes
I will dry them all
I'm on your side
Oh when times get rough
And friends just can't be found
Like a Bridge
Over Troubled Water
I will lay me down,


君が疲れ果てて、涙をためているとき、
そのときは僕が涙を拭ってあげるよ。
たとえ、辛い時期がやってきて、
友達が一人もいなくなっても、
僕だけはそばにいるからね。
荒れた海に架かる橋のように、
僕が身を横たえて君がわたるための
橋となってあげるから。(野バラの意訳)


(こちらのサイトさまもご参照ください)


ところで、この曲がいま、アメリカでリバイバルヒットしているそうです。11月27日(月)午後10時からの「NHKプレミアム10」、「明日に架ける橋〜賛美歌になった愛の歌」という番組では、この曲ができたときの状況や、二人が過ごしたニューヨークのユダヤ人街などを興味深く見ることができ、久しぶりに聴いた曲には懐かしさがこみ上げてきました。

9.11のとき、ポール・サイモンが犠牲者追悼のために歌ったのが大ヒットの切っ掛けだそうですが、今でも世界中にあの歌を愛する人たちがたくさんいることを知ることができ、自分のことのようにうれしく思いました。

特に興味深かったのは、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)廃止にポール・サイモンが深く関わっていたことでした。ずいぶん昔にも公民権運動に関与したり、大統領選挙で支援コンサートをしたりというのは知っていましたが、実際に差別撤廃の力になっていたなんて……。

ただ手放しで喜べないこともあり、コンサート開催も命がけみたいな場面もあったようですし、逆に差別された側の一部の黒人は暴力的な行動に出てしまったようです。平和運動の難しい一面ですよね。

ところで、人を癒やす力を持ったこの歌は、9.11事件で悲しむ人々をも慰めたわけですが、あるゴスペルソングがヒントになって作られたそうです。こちらのサイトに詳しい当時の状況が載せられていて、興味深かったです。元々賛美歌的要素を秘めた曲だったのですね。

Yahoo!ショッピングでいろいろ試聴していたら、また聴きたい気持ちが再燃してきました。吉田拓郎さんの嬬恋コンサートが切っ掛けになって、おじさまたちもブームが再燃したそうですが似たようなものでしょうか。私も拓郎さんをよく聴いた時期がありますが、あの方はガンを乗り越えてまた元気に活躍されていて、なによりです。

私ももうちょっとS&Gとポール・サイモンを極めることにしましょうか。知らないCDやDVDも出ていますし……。そういえばアート・ガーファンクルのほうも、CMのBGMに使われていたりしますね。私はソニーのimageシリーズを何枚か持っているんですが、imge3(イマージュ・トロワ)の中にモーニング・ハズ・ブロークンというガーファンクルの優しい曲が入っていて好きです。よかったら試聴してみてくださいませ。

ところで、NHKの番組は再放送が決まっているようです。
12/17(日)総合 午後 3:50 〜 4:42
※中国地方は25日(月)深夜(26日午前)1:00から放送
先日は、見逃した部分もあるので、また見てみましょう。
最後にこちらのブログで紹介されていた、他のアーティストによる明日に架ける橋のページと、YOUTUBEのサーチ結果を張っておきます。
(今回、操作ミスにより、一部だけアップしたまま残りの掲載が2日も遅れてしまいました。ごめんなさい06/12/08 12:50)
posted by 野バラ at 11:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生き方
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