2006年10月25日

耐震偽装問題が再浮上

build.gif 昨年、大問題になった耐震偽装問題。法で定められた耐震性を備えていないことが判明し、買ったばかりのマンションを出て、自前で建て替えを迫られた住民は本当にお気の毒です。たいていの人にとって家は一生に一度の買い物なのに、2軒分のローンを抱えて生きるのはどれほど大変なことでしょう。

中には、建て替えではなく耐震補強で乗り切ることにしたマンションもあるようですが、今回明らかになった物件だけでなく、潜在的には問題のある建物は無数にあるに違いありません。1995年の阪神淡路大震災の際にも近代的なビルを含め多くの建築物が倒壊しましたし、ちょうど2年前、2004年の新潟地震の際もそうでした。耐震性に不安を抱えながらも、調査すらできない方も多いに違いありません。ホテルなどでも耐震性に問題ありの物件が多いようですが、かといってそこまで宿泊客が調べることも難しく、自分が泊まったときには地震が来ないだろうと信じるしかないのでしょうか。
 
話は変わって、我が家は阪神大震災後に建築したので、耐震性について資料を取り寄せ多少の勉強をして、乏しい資金の範囲内、できるだけ壁の多い間取りを考え、基礎を厚くし、柱の一部を太くしたりはしたのですが、それでも十分とは思えず地震が起きると大丈夫だろうかと本気で心配になります。当時、住宅金融公庫の融資を受けて建築したほうが、一定の安全基準が守られているかどうか検査があるので安全だと聞いていました。ということは、一般的には見掛け重視の手抜き工事が多いということなんでしょうね。

いまの日本は建築に限らず粗製乱造、安物を作っては壊し捨てるというライフスタイルになっていることも、回り回って問題の遠因になっているのかもしれません。作ろうと思えば何百年でももつ木造住宅もできるはずですが、いかに見栄えよく、かつ安くあげるかばかりに気をとられ過ぎていることも考えねばならない点かもしれません。

話を戻しますが、耐震偽装問題では誰が悪者なのか、これは難しい問題なのかもしれません。直接的には書類を偽造した建築士が悪いと言えるかもしれませんが、コストを下げるよう圧力をかける建築会社、偽装を見抜けないまたは見逃した検査機関、こうした制度を監督している官庁にも責任の一端は当然あると思います。一般消費者が少しでも安く物件を手に入れたいと考えるのは普通ですが、建物の内部まで購入者が診断するなどできませんから、安全でない物を安全だとウソの広告を出して販売する業者は、国に取り締まってもらわなければどうしようもありません。

この件で誰が責任を取るのかあいまいなまま、直接関係のない人々から忘れられようとしていた昨今、偽装問題を告発したイーホームズの藤田東吾社長がいま、耐震偽装されているマンションをそれと知りながら売り抜けようとしている業者を明らかにして、安倍総理大臣に訴えようとしていますね。ブログ界では超有名なきっこさんがその日記で10月16日ブログでは17日以降扱ってくださってます。らんきーブログさんでも、分かりやすくまとめてくださっています。この結果、早くも販売業者は販売を一時中止しました。ブログが世の中を動かす時代が来つつあるというのはすごいことですね。

莫大な費用を掛けた建物が売れないとなると業者にとっては死活問題かもしれませんが、自業自得な面があるでしょうし、仮にまったく瑕疵(かし)がないとしても、危険な建物をそれと知りながら偽って販売することは倫理上許されないことでしょう。まさに購入しようとしていた方々にとっては、藤田社長の勇気ある行動に感謝したいでしょうね。これ以降、安全を偽って販売してはならないのは当然ですが、すでに購入してしまった方々をどう救済するかという問題も残っています。違反があった企業から罰金を取った上で、国が一律に被害者に補償金を支払うという方法がいいんでしょうかね〜。

それにしても、藤田社長に関するマスコミ報道は、情報操作のように感じました。耐震偽装問題で有罪になったということばかりを強調していますが、江川紹子さんがブログで書かれていることが真っ当だと思います。
その罪は、確認検査機関としての指定を受けられるよう、資本金を約2300万円から約5000万円に増資したとする法人登記の変更を申請したが、実際には資金がなかったため、知人の司法書士から一時的に借り入れた資金などで増資を装い、虚偽の登記申請をした、というもの。早く自分の夢を実現しようと、少し焦ったのか、背伸びをしすぎた失敗した、ということなのだろう。
 新興企業や中小企業が見せ金で資本金を大きく見せかけることは、実はしばしば行われているらしい。けれど、「みんながやっているから」は言い訳にならない。違法が発覚すれば、それなりの罰を受けるのが、法治国家なのだから。
マスコミは藤田社長がものすごい悪行をしたかのような印象を与えていますが、そのことで誰にも迷惑を掛けたわけではなく、絶対的悪とは言えないでしょう。というのは、会社を設立するのに少し前までは、株式会社であれば資本金1,000万円以上、有限会社なら300万円以上という決まりだったようですが、今は1円でも設立でき、5年以内に増資すればいいという制度に変わったようです。で、5年以内に達成できなかった場合、足りない分を何とかかき集めて見せ金を用意するということに普通はなるのでしょう、きっと。

こういう法律というのは、国の気分次第(?)で頻繁に変わりますし、道路のスピード制限みたいなものだと思います。以前は制限なしで時速60km OKだった道路が突然40kmになったら、60km走行は違反になってしまいますが、善悪というのは相対的なものです。確認検査機関として、資本金5,000万円以上なら適当で、2,300万円では不適だとする合理的な理由があるとは、素人目には見えないんですよね。

この問題に関しては、藤田社長を耐震偽装問題のスケープゴートに仕立てたいという意図が働いているような感じがします。一般大衆の目を反らそうとしているのでしょうか。建築法のことをよく知らない人々に、国はこの問題できちんと処分をしてますよ、というポーズを見せて、耐震性のことなど気にせず安心して暮らしてくださいと国民を黙らせるというような…。

マスコミ報道だけを見ていたら、世の中の本当のことは見えない気がしますね。ここ数年でブログというツールが活用されるようになり、ウェブの知識がなくても情報発信できるようになったことの意義は大きいと思います。情報操作することにより一般人を欺いてきた人たちも、それが難しくなっているというのは本当に喜ばしいことです。ブログを活用する私たちは、足を引っ張り合うのではなく、互いに切磋琢磨し、世の中を少しでも住みやすく変えるため、知識や知恵を出し合うようにしたいものですね。

green.gif【06/10/27 追記】 ネットが力を持ち始めたことについて扱われている「Yahhoo! japan News--->棒に怒る日本人」の「報道革命の日」は興味深い記事でした。
green.gif【06/10/29 追記】 耐震強度偽装問題の経緯がまとめられているサイトがありました。◇耐震強度偽装問題時系列 ◇耐震強度偽装問題時系列簡易版
green.gif【06/10/30 追記】 らんきーブログさんのリンク集は便利です。
勇気を持って真剣に闘っている藤田東吾さん、がんばってほしいです。専門的なことは分かりませんが、確認検査機関の仕事として国が定めた方法では、偽装を見破ることは不可能だったようですね。それで藤田社長は国の責任を言っているようです。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

安倍晋三「集金マシーンにもうひとつの耐震偽装人脈!」(DL¥63)
耐震偽装「証人喚問は茶番劇」(週刊現代 DL¥63)
阪神大震災「復興住宅」も手抜き・欠陥だらけだ!(DL¥42)
「私がマニラで見た“疑惑の鉄骨工場”のすべて」免震構法:鉄骨の溶接に重大な問題(週刊現代 DL¥63)
「ヴィンテージ・マンション」購入術=耐震性を見極める(週刊現代 DL¥42)
偽装・ウイルス・アスベスト「リスク社会」日本の恐怖 何がこの国を「リスク社会」にしたのか?(新潮社DL¥210)
posted by 野バラ at 02:20 | Comment(0) | TrackBack(8) | 時事問題
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